ちょっと間が空きましたが(⌒▽⌒A 命のリレー母乳編2を始めたいと思います。
前回は母乳の質の問題について触れました。 今回は・・・
問題②「母乳が出ない!」 これはよく聞かれます。「母乳が出なかったから人工ミルクで育てました。」という方がいます。 本当に母乳が出なかったのでしょうか?
母乳育児支援の世界的組織『国際認定ラクテーションコンサルタント協会』の説によると母乳が出ない母親は二万人に一人のという割合です。
つまりほとんどの方が努力次第によって母乳が出るということです。
ではなぜ出なかったのでしょうか?
その原因は 1.吸わせ方 2.吸わせる回数 3.お母さんの食生活
と大きく分けてこんな所です。他にストレスなども関係しています。
1.吸わせ方 赤ちゃんが乳を飲む仕組みは厳密には「吸う」でなく「かむ」だそうです。上下のあごで乳首をはさんで口の中の空き部分をゼロにする。すると陰圧がかかって、おっぱいが引き出されます。そして正しい吸わせ方は ・赤ちゃんの顎がおっぱいに触れている
・赤ちゃんの口が大きく開いて、おっぱいが口いっぱいに入っている ・ドナルドダックのように赤ちゃんの唇がめくれている。
乳首の先端だけをくわえる先飲みでは、胸筋に刺激が伝わらず、母乳の分泌が減る。母乳を飲ませていても生理が再開しちゃったら、「先飲み」を疑ってみた方がいいようです。
2.吸わせる回数 おっぱいは飲ませれば飲ませるほど出てくるのです。 とにかく吸わせるんです。 例えば、産後2、3日おっぱいが出ないからといって諦めてはいけません。赤ちゃんはお弁当と水筒を持って生まれてくるのです。皮下脂肪で2、3日は何飲まなくても平気です。回数含ませているうちに出てくるようになります。 子どもが夜まとめて寝るようになると、夜間の授乳がなくなり、間があいて飲ませる回数が減る分、おっぱいの分泌が少なくなります。 「3時間ごとの授乳(夜間も)」これが理想です。あまり間をおくと味が落ち、ひどいと中で腐る場合もあるそうです。(緑色の母乳が出たという人も…)常にフレッシュな母乳を飲ませてあげてください。
3.お母さんの食生活 これは母乳編1で書きました。高カロリー高タンパクのものばかり食べているとドロドロした悪い乳質になり乳腺を詰まらせる原因になります。
問題③「周りの理解」 何よりも大事です。育児は喜びや感動もありますが、寝不足になったり、母親は赤ちゃんに付きっ切りで大変です。 お母さんが疲れやストレスで落ち込まないように、父親は当然として、周りの親しい人もサポートしてあげましょう。 お母さんも一人で抱え込まず、周りの親しい人に援助や助言を求めましょう。
母乳のメリット ★免疫が高まる。 米国小児学会(AAP)では、母乳を飲ませることで、下痢、呼吸器系の感染症、細菌性の髄膜炎、ボツリヌス中毒、中耳炎…などいろいろな病気の発症率や激しい症状を緩和することがわかったと報告しています。 また、最近話題になった乳児突然死症候群(SIDS)も母乳育児の方が少ないそうです。 母乳育児で育った子どもはより健康で、医療費があまりかからない傾向があるそうです。
★顎が発達する。 赤ちゃんが母乳を飲む力は哺乳瓶で飲む時の60倍と言われます。インプリンティングといって赤ちゃんは最初に飲み始めた物の飲み方に慣れてしまう習慣性がある為、直接母乳を飲ませることが大切なのです。 例えば力を入れるとき奥歯をぐっと噛み締めます。顎が発達しているとこういうとき頑張りが利くのです。 舌や顎を動かすことで前頭葉も発達して考える力を養うことにも繋がるし、やる気のある活き活きした子に育ちます。
★スキンシップが多くなる。 おっぱいを飲ませるたびに、お母さんのあったかい胸とあったかいおっぱいにぴったり密着してスキンシップを楽しむことができます。一日に何回も赤ちゃんとスキンシップができ、両方の愛情がより深まります。
★お母さんの体にもメリットが 6ヶ月以上母乳育児を続けると乳がんにもなりにくいという調査報告があります。母乳育児はお母さんの体のためにもよいのです。また、母乳を飲ませることによって、子宮が収縮し、元に近い大きさまで戻ります。 そして母乳を出すにはカロリーを使います。ダイエット効果も!
★タダです。 お母さんの食費がかかるくらいで、ミルク代は全くかかりません。ゴミも出ません。
★外出に便利 母乳育児だと外出も気軽にできます。荷物もほとんどいりません。お母さんが歩く弁当箱のようなものですから。 ただ、前開きの服を着ていないと授乳はしづらくなります。
★準備が簡単 深夜大泣きされてもあわてることはありません。すぐおっぱいを出して、赤ちゃんの口に…。簡単です! 清浄綿での消毒をすることと本には書いてありますが、母乳にも強力な殺菌力があり、母乳で乳首の周りをぬらすだけでも十分な殺菌になるそうです。
最後に(長いけどがんばって) 生まれてから約100日以内は赤ちゃんの飲む力も弱く、また母乳の分泌量も少ないので、射乳現象が起こっている時間は一度に1分~2分です。 休憩時間は3分~10分くらいと長いために、赤ちゃんはこの時、お乳を含んだまま目をつぶって、次の射乳現象を静かに待ちます。1時間おっぱいを口に含んでいても本当に飲んでいるのは5分くらいです。 この時に赤ちゃんはお母さんの暖かい体温、心臓の音、におい、柔らかい胸に抱かれ、子宮の中に近い環境に安心しています。 この射乳現象の休憩時間に、もう寝ていると思い、ベッドに寝かせると「ギャー」と泣きますので、お母さん達は母乳が足りないと思い込み、ミルクを与えて寝かせてしまうのです。 100日過ぎると一般の育児書に書いてあるように15分~20分間で飲めるようになります。
赤ちゃんは1時間おっぱいを口に含んでいても本当に飲んでいるのは5分くらいです。あとの55分は「お母さんの心と愛」を飲んでいる大切な時間ですから、1回の授乳に60分かけ、情緒の安定した良い子に育ててください。 絶対に母乳でないと駄目という訳ではありませんが、可愛いわが子の将来の為にもこれらのことを試してみては如何でしょうか?
最後まで読んでくださり ありがとうございましたm(__)m 次は妊娠について考えたいと思います。 乞うご期待(^_-)
参考文献 おっぱいはえらい!!-母乳育児を取り戻そう–授乳は食育の始めなり- 監修:助産婦 平田 喜代美