前回の食文化の盲点4では、昔の塩と現在の塩の違いについて書きました。 今回はついに塩編完結!!塩化ナトリウムの弊害についてお贈りします。
さて弊害に入る前に、塩の身体での働きについて少し説明したいと思います。
塩の働きその1 塩分は筋肉の働きのもとです。 すべての動物の筋肉は塩の浸透圧パワーで働きます。(不足:足がつる)
その2 塩分は体の熱をコントロールします。 暑さや激しい運動→体温を上昇させる→塩分を含む濃い汗をかく。これにより発熱体である塩分を体外へ排出し、体温を下げる。 体液中の水分だけを尿として排出、トイレが近くなる。これにより体内の塩分濃度を保ち、熱を外に出さない。 日本では南に比べ北のほうが塩の消費が多いのはその為です。 (不足:冷え性、低体温症)
その3 塩は導電物質です。 すべての人間の生理的機能は脳幹から電気信号(電流)によってコントロールされています。人間の体内では塩分濃度が不足すると電流がよく流れなくなるため、情報伝達がうまくいかず、体調不良をきたします。 (不足:頭痛、思考力が鈍る、だるい)
その4 塩は新陳代謝に関わっている
塩のナトリウムイオンが不足すると新陳代謝は衰えてしまいます。
私たちの細胞は細胞膜を通して必要な栄養素を細胞外液から取り込み、代謝の結果できた老廃物をまた細胞外液に出していて、この内液・外液間の物質の移動は浸透圧の差を利用して行われています。
この時にナトリウムイオンの量が少ないと物質移動が活発に行われなくなり、新陳代謝がスムーズにいかなくなるのです。(不足:肩こり、肌荒れ)
その5 塩は腎臓の働きを助ける
塩のナトリウムイオンは腎臓の働きも助けています。腎臓には尿を作って、老廃物を尿と一緒に体外へ出すという働きがありますが、ナトリウムが不足すると、人間の体は、尿の中に出したナトリウムを再吸収して外に出さないように機能し始めます。これは腎臓に大きな負担を与え、また尿の量も減るので体内の老廃物を体外に排泄できなくなり、健康を害するのです。(不足:腎臓病)
その6 塩は血液が酸性になるのを防ぐ ナトリウムイオンはアルカリ性なので、強い酸と結びつき体液を中和させ、体を弱アルカリ性に保つ役割を果たしています。
人体は弱アル力リ性(pH7.4前後)に保たれています。体内では代謝により多くの酸性物質が生成されますが、ナトリウムの緩衝作用(変化を和らげる)のお陰で、体液は酸性にならないで弱アルカリ性に保たれています。 血液が酸性に近づき過ぎると、意識を失ったり、時にはあの世へなんてこともあり得ます。(不足:食欲減退、倦怠感、精神不安定、眠気)
その7 塩は消化の働きに必要
ナトリウム(Na+)は体内におよそ60ミリ当量/kg(体重)存在しており、これを塩分に換算すると体重60kgの人で約200g程慶となります。そして、その50%強が血液などの細胞外液に40%程度が骨に、残りが細胞にあるといわれています。唾液、胃液、腸液などの消化液は、1日に約8㍑も分泌されています。その消化の働きにも塩化ナトリウムが必要なのです。(不足:便秘、消化不良、消化管の障害)
っとまあこんなとこです。少しと言いながら長くなりました
ここまでは塩不足の弊害ですが、ここからは塩化ナトリウムの弊害です。
上記のように塩は生命活動に絶対必要です。 しかし塩化ナトリウムは話が別です。純度の高い精製塩が身体に入ると、ミネラルのバランスが悪くなり、細胞からミネラル(カルシウム、カリウム、マグネシウム)を奪い、結果ミネラル不足が起きます。カルシウムやマグネシウムの不足は骨への影響だけでなく、いわゆる“切れやすい”ということなど精神的にも大きな影響を与える場合があります。
そしてもっと怖いことがあります・・・
それは精製塩は分子が大きく水に溶けにくいことです。一見吸収が悪くていいようにも見えますが、しっかり吸収します。 そして何が起こるのか・・・
腎臓に目詰まりを起こすのです!! 過剰に血液に入り込んだ塩化ナトリウムは脳からの指令により水を欲し、そして尿から流れていきます。 このとき自然塩ならすんなり流れるのに対し、分子の大きい精製塩は糸球体と呼ばれる腎臓で目詰まりを起こします。 塩が詰まった腎臓は流れをなんとか良くする為、ホルモンの作用により血圧を上げます。ここにもう一つ塩化ナトリウムが血圧を上げる原因が隠されています。
実際うちの代表は、透析をされていた方の腎臓を解剖したものを見たことがあります。そこには白く丸い塩が腎臓にいっぱい詰まっていました。
うちではよく塩の説明をするときに下のような実験をします。 左が自然塩、右が精製塩です。 ↓↓↓