前回の食文化の盲点3(塩編)では、一般に知られている塩と高血圧の関係について少し触れました。 今回は昔の塩と現代の塩の違いについて触れたいと思います!!
昔と現代の塩の大きな違い。それは塩の作り方です。
昔の塩の精製は、塩田で作ったかん水(濃い塩水)を平釜で煮詰めて作る煎ごう塩が主流でした。
現代の精製法は「イオン交換膜製塩法」というのが主流になっています。 これは日本の高度成長期が産んだ大きな過ちの一つだと僕は考えます。
1971年政府は、「塩業の整備及び近代化の促進に関する臨時措置法」に基づき従来の塩田を全面的に廃止し、イオン交換膜による純度99.97%の塩化ナトリウム生産のみとされてしまいました。この法律は国の工業生産性を高めるのには非常に役立ちました。純度が高く安くて大量の塩が生産されたからです。しかし従来の塩田業者はこれにより採算が合わなくなり、廃業せざるをえなくなりました。また、イオン交換膜による製塩法は、製造工程上の理由から、海水に硫酸を加えており、そのため製塩工場から排出される海水による公害問題も憂慮されています。
そしてここからが昔と現代の違いで最も大きな問題・・・
それは塩の質の問題です!!
現在一般的には「塩」=「塩化ナトリウム」というイメージがあります。現在の塩はあまりにも純度が高すぎるため、そう思われても仕方ないでしょう。
しかし塩は母なる海から取れた自然のミネラルです。「海」という字は、「人」の「母」なる「水」と書きます。水が生命に欠かせないのと同様に、塩も生命に不可欠なものです。
昔、戦地でリンゲル液が足りなくなったとき、海水を薄めて点滴に使ったという話があります。それほど海水と血液のミネラル組成は似ているんですね。ケントンという生理学者は、犬の血を抜いて代わりに薄めた海水を注入するという実験を行いましたが、犬は無事であったばかりでなく、以前よりも元気になり長生きをした報告しています。 塩というものは、水に溶かすと古代海水や血液のミネラル組成を再現し、内なる海を構成できるものでなくてはならないんです。
塩の主成分はたしかに塩化ナトリウムですが、米の主成分がでん粉でも「米」=「でん粉」でないように「塩」=「塩化ナトリウム」ではないのです。
それではなぜ自然塩が良くて塩化ナトリウムが良くないと言われるのでしょうか?
えーとまた長くなりましたので、今回はこの辺にして、次回「食文化の盲点5」(塩編完結)塩化ナトリウムの弊害をお送りします(〃^∇^)o_彡☆
今月中には作りたいと思います