この頃、朝晩と冷え込んできました。季節の変わり目になると、体調を崩される方が多くなります。
そこで、「命のリレー妊娠編」に入る前に、寒い冬に向けて、万病の元と言われる「冷え」を取る方法として、今回「冷え取り物語」をお贈りしたいと思います。冷えは妊娠とも深い関係がありますので、「命のリレー妊娠編序章」という感じでもあります
冬の季節はほとんどの病気にかかる率が上昇します。 また外気温や体温が一日中で一番低くなる午前3~5時が、人の死亡率が一番高くなるし、喘息発作やアトピー性皮膚炎のかゆみが酷くなったりするのもこの時間帯が多い。 健康な人でも概して起床時から1~2時間は体が重かったり、ボーっとしたり、気分が沈みがちになったりします。低血圧の人やうつ病の人はそれがさらに顕著になります。しかし午後になるとだんだん調子が出てきます。
このような現象はすべて体温の変化が大きく関係している。明け方低くなった体温は、午後5時まで徐々に上昇し続けます。午後2時から8時頃までが体温が一番高くなります。一日の最低体温と最高体温の差は、1℃くらいにもなります。だから体温を計るときはだいたい午前10時頃計るといいとされています。
★体温が低いとどうなるか?
頭痛、肩こり、腰痛、不眠イライラ、便秘、3大成人病、自律神経失調症、アレルギー、動脈硬化、不妊、更年期障害など様々な症状や病気を引き起こします。(まだまだあります)
★なぜ体温が低いとこのような症状が出るのでしょうか?
人間は現在分かっているだけで約4000種類の酵素が体の中で働いています。(人間は酵素が詰まった袋のようなものだと言う人もいます) 酵素とは食べ物を消化したり、体の新陳代謝をおこなったりして 成長、活動、生殖などに必要不可欠です。 胃腸などの消化器、肝臓、腎臓、膵臓、肺、筋肉、血液、脳、あらゆる組織にそれぞれの働きに必要な色々な酵素が含まれています。アルコールを分解してくれているのも酵素です。 この生命活動に絶対必要不可欠な酵素は36.5℃~37℃で最も良い働きをします。 しかし1℃下がると体内酵素の働きは50%低下すると言われ、栄養の消化だけでなく、エネルギー生産力も低下します。 これにより ◆免疫力は 37%低下!! かぜや色々な病気にかかりやすく、治りにくい。 ◆基礎代謝が 12%低下!! 1日200~500kcal代謝が低下します。脂肪が燃焼しにくくなる為当然太りやすくなります。 ◆ガン細胞は低体温を好む!! ガン細胞は特に35℃を最も好みます。 しかしガン細胞は熱に弱く39.3℃で死滅します。 体の中でも体温が高い「心臓」「脾臓」「小腸」などにガンが少ないのはその為です。 ◆冷えは女性の大敵 お腹の冷えは女性ホルモンのバランスが悪くし。婦人科疾患や更年期障害に陥りやすくなります。妊娠もしにくくなります。
★どうして低体温になるの?
①筋肉不足(特に下半身) 体の骨格筋肉による産熱量は平静時で22%運動時では80%にもなる。人の筋肉の70%が腰より下にある。また足は第2の心臓と言われ、足先にまでいった血液を重力に逆らって、心臓に戻さなければいけない。この為、運動不足になると血液がうまく流れず、足に血液がとどまります。これを「おけつ」(古い血液の滞り)と言います。手や足が冷たい人はこのような状態に陥っています。
②冷暖房の使いすぎ クーラーが効き過ぎていると、血管が収縮して血流を絞り体温の放出を防ぎます。あまり続くと体温調節機能が狂い。逆に火照り始めます。そして火照りで熱いので、さらに冷房を強めるという悪循環を繰り返します。
③ストレス ストレスがかかると緊張のホルモンであるアドレナリンやノルアドレナリンの分泌が高まり、血管が収縮して血行が悪くなります。 しかし逆にストレスのないボーッとした状態では脳の血流が悪くなります。脳の産熱量はかなり多いので、ストレスもほどほどにあったほうがいいようです。
④入浴法が良くない 特に夏場は湯船に浸からずシャワーが多い。シャワーは表面だけなので、水の蒸発による気化熱により体温低下します。
⑤食べ物と食べ方 ・「食べ過ぎ」 食べ過ぎると胃腸に大量の血液が集まります。これにより産熱量の多い骨格筋、脳、心臓などに血液が行き渡らなくなります。血液は筋肉や内臓で発生した熱を体の隅々まで運ぶので、食べ過ぎは体温低下を招きます。
・「体を冷す食べ物」 ◎アイスや清涼飲料水を飲むと胃が冷やされます。当然胃腸の低下も招きますが、胃の上には肝臓後ろには膵臓と大動脈と大静脈があり、胃腸を冷すとこれらの臓器や血管を冷すことになり、結果内蔵機能の低下と血液を冷やすことによる低体温を招きます。
◎東洋医学的な考え方で「陽性食」「陰性食」というものがあります。簡単に言うと体を温めるものは「陽性食」、体を冷すものは「陰性食」です。 陰性食品を列挙すると (ⅰ)水分の多いもの ― 水、コーヒー、コーラ、清涼飲料水、牛乳、ビール
(ⅱ)南方産の食べ物 ― バナナ、パイナップル、きゅうり、トマト、カレー
(ⅲ)白っぽい食べ物 ― 白砂糖、化学調味料、化学薬品
(ⅳ)柔らかい食べ物 ― パン、バター、マヨネーズ、クリーム
(ⅴ)生野菜
などです。特に白砂糖は極陰性と言われますので控えめにしましょう。
⑥塩分の制限 食文化の盲点5(塩編)でも書きましたが、塩は体温と非常に深い関係にあります。◎塩化ナトリウムでなく、よい自然塩を取りましょう◎
★温めてほしい体のサイン 「自分は冷え性ではない。むしろ暑がりだ」と言う人も、「手足がほてる」と言う人も、お腹を触診して冷たい人は低体温です。体温調節機能が低下しているからです。 また漢方では汗かきの体質を「虚証」(体力低下)に分類します。汗をたくさんかくという事は、体内に余分な水分が多いからです。ちょっと動いただけとか、食事をしたりするだけで大汗をかくのは、体内の余分な水分を捨てて体を温めようとする反応です。 ◎体が冷えているサインは 目の下にクマ、鼻の頭が赤い、赤ら顔、青あざが出やすい、唇が紫っぽい、歯茎の色素沈着、クモ状血管腫、掌が赤い、痔出血、生理不順不正出血、下肢静脈瘤 etc
★どうすれば体温が上昇するの? その①運動不足解消 下肢を中心に、たまにやるスポーツなどではなく、ウォーキング・ストレッチ・体操・フットセラピー・スクワットなどがいいですよ。
その②入浴法 全身浴は脳や心臓に負担がかかりますし長時間入っていられませんので、半身浴をお勧めします。最低でも15分は入ってください。また風呂場が寒いと風邪をひきますので、風呂場を暖かくするか、たまに肩まで20~30秒浸かっても差し支えありません(入浴剤を入れたりニンニク湯や生姜湯などはより効果的です)気軽に出来る足湯もお勧めです。
その③陰性食を控え陽性食を 甘いものやジュースなどの陰性食を避け、陽性食の根菜類や自然塩、発酵食品(日本の)を取りましょう。 大自然に逆らわず、地元の季節のものを食べましょう。いつも言っていますが、やはり「和食」これにつきます。
その④冷房は控えめ 冷房の温度は低過ぎないようにしましょう(エコです)。どうしてもの場合は赤外線マットを足下に掛けたり、腹巻をしたり、5本指靴下をはいたりしてお腹と足を冷さないようにしましょう。
その⑤薬は飲み過ぎ控えめ 化学薬品は、甲状腺ホルモン剤を除けば、ほとんどが体を冷すものです。その最たるものが解熱剤です。ただ漠然と長期に化学薬品を服用することは体を冷す原因になります。
その⑥家庭で出来る体が温まる飲み物 生姜紅茶、生姜湯、醤油番茶、梅醤番茶、レンコン湯、ダイコン湯、卵醤 etc 調理法や飲み方などがありますので興味のある方はメールか電話でお問合せください。
如何でしたか?長かったでしょう 思い当たるという方は、将来の自分と未来を担う子供たちの為に、これらのことを頭に置いて実行してみてください。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございますm(__)m 次もどうぞよろしくお願いいたします。
参考文献: 「体を温める」と病気は必ず治る 著者 石原結實