睡眠は最高の健康法の一つであると私は考えます。
今回は前回の続きで、睡眠健康法part3です。
睡眠の質を上げる方法
入眠をパターン化する
悩み事があったり、寝る直前まで仕事をしていたり、ゲームやスマホで脳が興奮したりすれば、寝つきが悪くなり、睡眠の質も確保できないです。
入眠前の脳への刺激は快眠を妨げることになります。
旅先で眠れなかったという経験がある人もいると思いますが、これは環境の変化が脳に刺激を与えたことで、快眠の妨げになっているのです。
快眠は、いかに「いつもどおり」を保つかが大事なのです。
睡眠も外的な状況に非常に影響を受けやすいです。どんなに良い環境でも、脳が働いていたら眠れないです。
①モノトナス
脳の刺激をなくすために「何も考えない!!」 というのは難しいですよね。
ハイウェーで運転中に眠くなる原因のひとつは、風景が変わらないことです。単調な状況だと頭を使わないから、脳は考えることをやめて退屈で眠くなります。これをモノトナス(単調な状態)といいます。
入眠前はモノトナスを意識しましょう。先が気になるミステリーや脳を刺激するアクション映画などより、難しい本やリラックスできる音楽などがよいでしょう。
②睡眠のルーティーン
いつもどおりのベッドで、いつもどおりの時間にいつもどおりのパジャマを着て、いつもどおりの照明と室温で寝る。音楽を聴くなら位置も同じ単調な曲で。
不眠症の認知行動療法でよくいわれるのは、「眠れなかったらベッドから離れる」という方法があります。ベッドは眠る為の場所で、本を読んだりテレビを見たり、スマホをイジったりするところではないという正しい条件付けを脳にするのです。特にスマホは危険です。ゲームやメールのチェックなど交感神経活動を上げることになるので、気を付けましょう。
「どう起きているか」でぐっすりか否かが決まる。
睡眠と覚醒は表裏一体
睡眠と覚醒はセットになっている。朝起きてから眠るまでの行動習慣が最高の睡眠をつくり出し、最高の睡眠が最高のパフォーマンスを作ります。
ぐっすり眠る人は朝から違います。覚醒と睡眠が表裏一体である以上、朝ぐずぐずと寝坊をし、一日を眠気とともに過ごし、悪影響を及ぼすような昼寝をすると、夜になっても眠気のスイッチが入らない。不眠症は朝から始まると言っていいと思います。
覚醒スイッチは光と体温
体温や自律神経、脳やホルモンの働きも、光がないとリズムが崩れて調子が悪くなってしまいます。窓を開けるだけで簡単に手に入る朝は太陽の光を必ず浴びる習慣をつけましょう。雨や曇りで太陽が見えなくても、体内リズムや覚醒に影響を与える光の成分は脳に届いています。
体温はサーカディアンリズムの影響を最も受けています。睡眠中は下がり、覚醒時は上がる。このリズムを外的要因で崩さないようにすることが大切です。つまりは、覚醒時はしっかりと体温を上げてスイッチとオンにしておくのが、良い覚醒を保つ上で大事なのです。
光と体温、この2つが主にいい覚醒をつくっていますが、そのほかにもホルモンや神経伝達物質もその一翼を担っています。
入眠するための行動習慣
①アラームは「2つの時間」でセットする
スリープサイクルには個人差があり、それほど規則的でないため前もって予測できないです。起きるのに理想的なレム睡眠がいつ出現するかを調べるのは難しいということです。
そこで推奨したいのが「起床ウインドウ(余白)」をつくる方法です。
それがアラームを2つの時間でセットするというものです。
やり方は、仮に7時には絶対起きなくてはいけないとしたら、6時40分と7時の2つの時間にアラームをセットします。この6時40分から7時までの20分を「起床ウインドウ」とします。
朝方であれば、レム睡眠の時間は長くなっているし、20分前後で、「ノンレム→レム」の切り替えがおこなわれています。このタイミングを狙う作戦です。
実行にあたっては、1回目のアラームは「ごく微音で、短く」セットすることを心がけましょう。
なぜなら、レム睡眠時は覚醒しやすいので、小さい物音でも目覚めやすい。小さい音でアラームに気付ければ、「レム睡眠時中に起きられた」ということなので、目覚めがよいはずです。
1回目のタイミングで起きることが出来なくてもかまわないです。なぜなら、この時目覚めなければ「ノンレム睡眠」で深い眠りの真っ最中という事だからです。仮に音が大きいとノンレム睡眠でおきてしまい、目覚めの悪さに繋がってしまいます。
アラームが通り過ぎる心配があるかもしれませんが、2回目の7時のアラームがありますので大丈夫です。
この「2つのポイントでセットする方法」でしたら、最初のアラームが鳴った際、あなたがノンレム睡眠なら「悪い目覚めを回避でき、レム睡眠のときに起きられる確率が1.5倍になります。
ちなみにスヌーズ機能だと十分な時間を空けられないのでおすすめしません。
5~7時間帯であれば、生理的にレム睡眠が増えているので、目覚めが良くなる確率が高いです。
逆に「今日は昼から出勤だから9時まで寝ていよう」というのはおすすめできません。コルチゾールの分泌が始まり、体温も上昇して、起きる準備が整った体で寝ていても、良い睡眠はとれないです。
②「眠りへの誘惑物質」を遮断する。
目が覚めれば自然に体温は上がっていきますが、すぐに行動することでさらに体温のスイッチがオンになります。
ただし高血圧の方は血圧の急な上昇を抑えるためにゆっくりベッドや布団から出ましょう。
起きたらまず、天気にかかわらず朝の光を浴びましょう。これは必ずしてほしい行動習慣です。その効果は絶大です。
メラトニンというホルモンが「体内のリズムを整え、眠りを推進させる」力があります。しかし覚醒段階では分泌を抑えなければなりません。
そんなメラトニンの分泌抑制に大きく貢献してくれるのが、太陽の光なのです。
人の網膜には「メラノプシン」という受容体があり、それが470ナノメーターというある特定の波長の光を感知すると、メラトニンの分泌が抑えられます。
この現象は視覚とは別のものなので、太陽を直接見なくても日光の光に当たるだけで効果が得られます。
③「裸足と朝活」で覚醒ステージを上げる
朝は感覚を刺激し、すっきりと覚醒しましょう。
家の中ではスリッパを履いている人が多いと思いますが、起き抜けはあえて裸足にしてみるといいです。これには2つの効果が期待できます。
1つは床にじかに触れることで披う感覚を刺激して覚醒させる。
2つ目は裸足て皮膚温度を下げ、サーカディアンリズム(24時間リズムの体内時計)で自然に上がっている深部体温と皮膚温度をさらに広げること。皮膚温度と深部体温の差が縮まると「眠くなる」という性質を逆手に取るやり方で覚醒させる。
④朝、「手を洗って」目を覚ます。
脳を目覚めさせるために、手を冷たい水で洗いましょう。朝は深部体温が上がっている状態なので、手を水につけることで、深部体温と皮膚温度の差を少しでも広げるのが狙いです。
ちなみに朝シャワーはおすすめですが、「朝風呂」はあまりおすすめできない。前述で書きましたが、40度のお風呂に15分くらい入ると深部体温が0.5度ほど上がり、しばらくすると体温は下がり眠くなってしまいます。
⑤「咀嚼力」で眠りと記憶を強化する。
「噛む」というのはとても大切なことです。SCNラボの姉川絵美子氏、酒井紀彰氏がマウスを使って「噛むことと体内リズムや睡眠」について実験をおこなった。
噛まない食べられない固形食を与えたマウスとあまり噛まなくても食べられる粉のエサを与えたマウスで睡眠と行動のパターンを比較してみた結果。
固形食の「噛んで食べるマウス」には、睡眠や行動パターンに昼夜のメリハリがあることが分かりました。逆に粉のエサを与えた「噛まるに食べるマウス」は昼夜にメリハリがなく、活動期の睡眠量が通常のマウスより多くなり、覚醒すべき時間に活発に活動しなくなりました。
また「噛まずに食べるマウス」は、記憶にも影響が及んだ可能性もあります。
かつて大人になると神経細胞は減る一方と考えられていましたが実際には大人になってからも脳内で新たな神経細胞が生まれるという現象が起きることが分かっており、運動などでも増強できると考えられています。
「噛んで食べるマウス」では記憶を司る海馬で神経新生が起きているのが確認できた。逆に「噛まずに食べるマウス」の海馬では、明らかに神経細胞の再生が減っていたのです。
「噛まずに食べる人」になってしまうと、「覚醒と睡眠のメリハリがなくなり、記憶もあやしくなり、肥満になる」なんていいことなしです。
噛む習慣をが睡眠の質を上げます。
⑥運動のし過ぎには注意
走るなら夜より朝がいいです。走ったり運動すると交感神経が優位になるので、朝走れば、活動モードに切り替わります。
しかし疲労するまで運動すると肝心の仕事のパフォーマンスが落ちてしまいますし、何より問題なのは体温が上がりすぎること、体温はあがりすぎると発汗による熱放散が起きて元の体温より下がる、これは眠気がやってくるサインです。朝風呂に入ったときと同じ状況になります。
夜しっかり寝て、朝スッキリ起きて、せっかく体温のリズムを合わせたのに、激しい運動で台無しになることがあります。
何事もほどほどが良いんです。運動としては早足ウォーキングのほうがおすすめです。汗だくになるほどの運動は快眠の妨げになります。
⑦「夕食抜き生活」は眠りに響く
覚醒物質「オレキシン」は、脳の視床下部と呼ばれるところの細胞から放出されます。絶食するとオレキシンの分泌が促進されるが、食事をすればオレキシンの活動は低下し、覚醒度も落ち着くことが分かっている。
オレキシンは食欲を左右すると同時に、もちろん覚醒にも強い影響を与えます。夕食を食べないとオレキシンの分泌が促進され、食欲が増大するうえに覚醒して眠れなくなる可能性が高いです。
オレキシンは、交感神経の活発化や体温上昇も引き起こします。
つまり「夕食を抜いたらオレキシンが増えて、食欲がますし、眠れない」だけの問題ではなくなり、自律神経が乱れ、あらゆる不調に関係してくることもある。
ここまで睡眠の質を上げる方法を上げてきましたが、如何だったでしょうか?
この内容はスタンフォード式最高の睡眠から抜粋したものですが、ここに載せたこと以外にも睡眠改善の方法はまだまだあります。
なのでここに載せたことを全部やっても睡眠の質が必ず上がるとは限りません。
ただしあなたの睡眠を改善する方法は必ずあります。
ここに載せたことをして上手くいかなくても、改善の方法はあります。
もしあなたが快適な睡眠を望むなら、あきらめずに徳島整体院にご相談ください。