睡眠は最高の健康法
最高の睡眠は最高の健康法の一つである。と私は考えています。
徳島整体院 内海です
睡眠は人間にどのような働きをもたらすのか!?について解説していきたいと思います。
睡眠の役割について
①脳と体に「休息を」を与える。
睡眠の役割で、欠かせないのが休息です。「睡眠=休息」ではありませんが、大きな役割であることは確かです。
人間の体では、意思とは関係なく自律神経が常に働いています。体温を維持し、心臓を動かし、呼吸をし、消化し、ホルモンや代謝を調整するのが自律神経です。
自律神経は活動モード(交感神経)と、リラックスモード(副交感神経)があります。この2つは24時間働いていますが、代わる代わるどちらかが30%ほど優位になります。
日中は交感神経が優位になり、体内では血糖値と血圧、脈拍が上がり、筋肉と心臓の動きが活発になります。脳は集中力と緊張感が増します。
緊張時や集中しているときには、神経細胞が活性化するので、現れるのは早い波形の脳波。逆にリラックスすれば、ゆっくりで乱れの落ち着いた脳波が現れ、ストレスを取り除く「α波」などが出現します。
ノンレム睡眠中と食後は、副交感神経が優位だ。心臓の働きや呼吸がゆるやかになる。食後は胃腸の働きが活発になり、消化と排泄が促されます。
どちらも大切で、働き過ぎな人は、交感神経優位の状態が多く、常に活動モードを続けることで、体と脳は疲労し、ストレスが溜まります。
夜になりスムーズに副交感神経優位状態に交代しないと、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなります。やがて自律神経のバランスが崩れ、体温や腸管の働きなどの機能がおかしくなっていきます。
つまりはスムーズな副交感神経の交代で質の良い睡眠がとれれば、脳と体に最高の休息を与えることが出来ます。
②「記憶」を整理して定着させる。
さまざまな研究により、学習後に睡眠をとることで記憶の定着が進むといわれています。
・レム睡眠中、エピソード記憶(いつどこで何をしたか)が固定される
・質の良い深いノンレム睡眠は、イヤな記憶を消去する。
・入眠初期や明け方の浅いノンレム睡眠では、体で覚える記憶(意識せずに覚えられる記憶)が固定される。
ノンレム睡眠、レム睡眠を数セット繰り返し、時間がたつとともに浅い睡眠に移行する中で、記憶が整理され、定着されていくのです。記憶というインプットだけでなく、イヤなことや不要なことは忘れるようになっています。
③「ホルモンのバランス」を調整する
良い眠りは、生活習慣病の改善にも繋がることが分かっています。
睡眠を制御すると、食欲を抑制するホルモンであるレプチンが減少し、食欲を増すホルモンであるグレリンが増えます。
特にグロースホルモン(成長ホルモン)は良い眠り時に最も出ます。大人の場合、このホルモンのおかげで、筋肉や骨は強くなり、代謝が正常化されます。
グロースホルモンと構造が近い、生殖や母性行動に関与するプラクチンも最初の深いノンレム睡眠の時に、多く分泌されます。
皮膚の保水量も睡眠が関わっているのは、肌の水分が「性ホルモン」や「グロースホルモン」の影響を受けるからです。
④「免疫力」を上げて病気を遠ざける。
睡眠が不適切になり、ホルモンバランスが崩れると、免疫の働きもおかしくなります。
そうなると風邪やインフルエンザ、がんなど免疫に関係する病気になる可能性が高まります。
またリウマチなどの自己免疫疾患やアレルギーは、天候など様々なものがトリガーとなりますが、免疫機構と大きくかかわっているので、睡眠時の免疫増強が働いていないと、それらも悪化する可能性はあります。
⑤「脳の老廃物」をとる
脳波は「脳脊髄液」という保護液につかっているので、転んで頭を打っても、脳が直接内側の頭蓋骨にぶつかっても傷がつかずにすみます。
脳脊髄液はおよそ150㏄で一日に4回から5回、600㏄ほど入れ替わっています。新しい脳脊髄液が出て、古いものは排出されるとき、脳の老廃物も一緒に除去されます。
脳の老廃物は、神経細胞が活発である覚醒時にたまります。日中の覚醒時にも「たまった老廃物除去」は行われているのですが、それだけでは追いつかないので、就寝時にまとまった処理が脳では必要になります。
脳の老廃物がきちんと排出されないと、アルツハイマーなどの疾患の引き金になります。睡眠の制限により脳の老廃物が排出されないとアルツハイマーの原因物質の一つ「アミロイドβ」が溜まりやすくなるからです。
今回はここまで、次回、引き続き睡眠について書いていきます。
スタンフォード式 最高の睡眠より抜粋